私は、5年前にパート事務職としてライフケアガーデン湘南に入職しました。子供の保育のため、事務所が忙しいときや人手が手薄なときに出勤や残業ができないこともあり、心苦しい思いもしましたが、5年間の間に子供も成長し、4月から常勤職員として勤務させていただいています。

先日、101歳のO様が、エレベーターの前で壁の手すりを強く握り締めてその場を離れようとせず、お嬢様が困っている場面に遭遇しました。お話を伺うと、お嬢様が来所された際、「今日、美容を受けたい」と訴えられ、「今日は美容の日ではないよ。美容室も閉まっていて、美容師さんもいないでしょう」と説明をしても、どうしても納得してくれない、とのお話でした。

私はしゃがんで、車椅子のO様の目線に合わせ、手すりを固く掴んでいる手をさすりながら、「私が理美容の予定を組んでいるので、次回必ずご予約をおとりします。美容師さんにもO様が会いたがっていたことお話しておきますね」と、耳元で繰り返しお話すると、堅かった表情が少しずつ解けてきて、手すりから手も離され、「あなたが予約係なのかい?　それなら必ずお願いしますねぇ」と、O様は笑顔で居室へと戻られました。　お嬢様から、「きっと事務服を着た職員さんだから、予約の話だと理解してくれたんだわ。本当に今日は大変で、困り果てていたので、助かりました。ありがとうございました。」とお礼の言葉をいただきました。

私の話で納得していただけるか不安でしたが、事務服を着た私のことを「予約係」と認識し、繰り返しお話したことで安心してお心を開いていただいたご様子でした。事務所内で仕事をしていていることが多く、介護スタッフに比べると直接入居者様に関わることが少ない私ですが、お二人から笑顔をいただいき少しでも力になれたと思うと、やりがいと嬉しさを感じました。これからも縁の下の力持ちとして、ご入居者やご家族を支えていく柱の1つになれればと思っています。